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老舗旅館女将、宮崎知子(ともこ)さん、39歳。名門お嬢様学校育ちの箱入り娘だった知子さんが、2006年に嫁いだお相手は100年続く老舗旅館の御曹司だ。といえば誰もがうらやむ結婚に見えるが、ふたを開けてみれば驚愕の真実があった。この旅館には、10億円もの借金があった。
知子さんが嫁いだのは、神奈川県秦野市にある温泉郷、鶴巻温泉にある老舗温泉旅館の「元湯陣屋」。その門をくぐって中に入ると、目の前に広がるのは、手入れの行き届いた日本庭園。その敷地は、およそ1万坪もある。
落ち着いた雰囲気の美しい和室は露天風呂付き。和室に加え、ベッドルームもあるこのお部屋、お値段は、1泊3万5000円〜という、かなり強気の設定だ。
お客の入りは「おかげさまで、皆さまにご満足いただいています。ご予約も、先までいただいています」(知子さん)。
どうやら、お客さんは、来てくれている様子。では、気になる、借金は?
「まだ残っています。ですが、おかげさまで順調に返せています。完済の見通しもたちました」(知子さん)
そう、実は、知子さんが女将になってから、崖っぷち旅館の経営状態はV字回復している。大赤字だった8年前と比べ、年間の利益は2億円以上もアップ。その腕は、老舗旅館再建の成功モデルとして、当時の石破茂地方創生大臣が視察に訪れたほど。
夫の富夫(とみお)さんによれば「女将が切り盛りしてくれたことが大きい。私にとっても、旅館にとっても女将は欠かせない存在です」。
V字回復には、女将の力が大きくかかわっているという。この8年間、女将は一体、何をしたのか?
「(夫は)長男だったけど、旅館を継ぐ気はさらさらなくて、ご両親も家を継がないことで納得していた」(知子さん)
夫が旅館を継がないことは、ご両親も納得している――。そう聞いていたとおり、富夫さんは、卒業後、大手自動車メーカーのエンジニアに。そして、2006年、2人は結婚。翌年には、子供も授かり、知子さんは幸せの絶頂にいた。
ところが、旅館のオーナーだった夫の父が2008年に急死する。そこから知子さんの人生は「劇変」した。
1年後、2人目の子供を妊娠していた知子さんは、出産予定日を10日後に控え、入院していた。そこへ、見舞いに訪れたのは、義理の母親。亡き夫から経営を引き継いだ、旅館の女将だった。義母は、思いもよらぬ告白をする。
「こんなときに、本当になんなんだけど……実はね、旅館うまくいってなくて借金があるの」(義母)
「借金??いくらくらい?」(知子さん)
「10億円」(義母)
実は、夫の実家は10年以上、赤字が続き、借金が膨れ上がっていた。その額、10億円。しかも、そのことをまだ夫には知らせていないのだという。大変な事実を夫よりも先に知らされた知子さん。さらにこの後、義母から驚くべき事実を伝えられる。
「でね、富夫も連帯保証人になっているの……」(義母)
その後、先代女将は、心労が重なり、入院。保証人だった夫が、交渉の矢面に立たされた。
夫はまず、旅館の売却を検討。借金の返済を含めて買い取ってくれるところを探すと、あるホテルチェーンが名乗りをあげた。出産を終えたばかりの知子さんも交渉に参加。売却で手にする資金で、義理の母の生活費だけでも賄えればと思っていたが、提示された買取り額は、なんと、たったの1万円だった。?
土地、建物、従業員、すべて手放してもだ。それだけの企業価値しかないと判断されたのだ。
「お年玉かと思った。(旅館)全部で」(知子さん)
旅館すべてを失って1万円もらうか、借金10億円を抱えて戦うか……突きつけられた二択に苦悩する夫、その時、妻・知子さんは言った。
「ねえ、あなた。もう私たちで、やるしかないんじゃない??あなたも連帯保証人なんだし。それに本当は、宮崎の家を守りたいんでしょ?」(知子さん)
この妻の言葉に背中を押され、夫は、借金10億円を抱え、戦う道を選んだ。そして2009年10月、知子さんは、31歳の若さで、老舗旅館「元湯陣屋」の女将に就任する。それは、長女の出産から、わずか2カ月後のことだった。
旅館業の経験などまったくなかった2人。経営や、銀行との交渉などは、富夫さんが担当し、知子さんは、女将として実務全般を託された。
しかし、先代の義母は入院中。女将業を教えてくれる人はいない。知子さんは従業員たちの仕事を見ているしかなかった。すると、これが功を奏した。老舗旅館が抱える、数々の問題が見えて来たという。
問題その(1)『多すぎる従業員』
これはあまりに、効率が悪い。そう感じた知子さんは、「手が空いているのなら、他の現場の手伝いを」と提案。しかし、
「女将、私はプライドを持って太鼓番をやっている。他の仕事は、できません」(従業員A)
「女将、それは別の人の仕事です。旅館の仕事は、そういうものです」(従業員B)
ベテラン従業員たちは、新人女将の意見になど、耳を傾けてくれなかった。
崖っぷち旅館には、さらなる問題が。
旅館には、客室がある本館とレストランのある別館、それぞれに厨房があった。2つの厨房を中心に、従業員同士の派閥があるうえ、場所が離れているから、ヒマでも互いを手伝ったりはしない。従業員の軋轢は、お客様へのサービスの低下にもつながっていた。
効率の悪い従業員の配置。派閥争いによるサービスの低下。これこそが旅館の経営を圧迫する原因だと知った知子さんは夫・富夫さんと、2カ月かけて、ずさんだった売り上げや人件費、仕入れ値などを細かくチェック。旅館再生に向け、ある大きな決断を下したのだ。
まず夫が旅館の厳しい現状を、社員全員に包み隠さず打ち明けた。さらに、「厨房を改築して1つにまとめます。そして手が空いたら他の仕事も、どんどん手伝えるようにしていきましょう」。知子さんは作業の効率化と、働き方の改革を訴えた。実は、120人を超える従業員のうち、正社員は30人ほど。残りはすべて、時給制のアルバイトで賄っていた。
そこで、社員に、より働いてもらい、アルバイトに割く人件費を減らしたい、そう伝えた。当然、不満に思う社員も多く、「この旅館を守ってきたのは、私たちなんですよ」と不満を漏らす社員も。しかし、知子さんもまた訴えました。
「昔からのしきたりを守るのも大切です。でも今は、そんなことを言っていられる状況ではない。旅館を守るためには、やらなきゃならないんです」(知子さん)
旅館の経営状況がこれほどまでにひどいとは知らない人も多かったため、泥舟に乗っていられないという人、今まで以外の仕事はしたくないという人、あの人と働きたくないという人など、社員は徐々に減っていった。改革から数カ月後、30人いた社員は、わずか20人ほどに。
旅館は一転、深刻な人手不足に陥った。ここで、女将と主人は、さらなる旅館改革に着手する。夫・富夫さんは、元エンジニア。その知識を活かし、新たなITシステムを、数カ月かけて開発、旅館に導入したのだ。
少ない人数で旅館を運営できる、そのシステムとは音声の文字化である。たとえば「デザートが小玉スイカに変更になります」と、女将が言葉で指示すると、それが音声ソフトにより自動的に文字化。これが、旅館スタッフ全員が持つタブレットに送信され、やりとりを確認することができるというシステムだ。
厨房にある大型モニターには、宿泊客のアレルギーの有無や、料理の希望、さらには、好みの温度設定まで、細かく記されるようにした。これらの情報も、パソコンやタブレットを通じ、全従業員が共有。おかげで、1人で複数の仕事をこなせるようになり、少ない人数で、きめ細かなサービスができるようになった。
こうして、再生への第一歩を踏み出した崖っぷち旅館。しかし女将は、さらなる試練を抱えていた。
31歳で、借金10億円を抱える老舗旅館の女将になった知子さん。そんな彼女に余儀なくされた、さらなる試練が「女将業と子育ての両立」。知子さんが女将になった時、上の子供は2歳。下の子は、わずか生後2カ月だった。
最初の3年間、知子さんは1日の休みも取らなかったという。億単位の借金を抱えた女将業と、2人の子育て……知子さんの精神は限界に近づいていたのだ。そして、女将になって3年が過ぎた2013年、ついに知子さんは決断する。
「このままずっとやり続けるのは難しいなと」(知子さん)
女将など続けられない。しかしこの窮地が、借金10億円の崖っぷち旅館を再生する最大の改革を生む。その改革とは旅館としての営業を週休3日制としたことだ。
もちろん最初は、従業員も銀行も大反対。しかし、ふたを開けてみれば、利益は増えたのだという。3日も休んで利益が上がったとは、一体、どういうことなのか?
温泉旅館の場合、宿泊客は、週末に集中する。そこで、お客の少ない月曜から水曜の宿泊客を受け付けない(月曜は原則として日帰りランチ営業のみ)ことで、経費の大幅な削減に成功。休日をしっかり設けることで、従業員の集中力が増し、サービスの向上につながった。実際に、7日間フルに営業していた時と比べてみると、利益は、大幅に増えている。
そして今、知子さんは休館日に、さみしい思いをさせていた子供達と過ごせるようになった。子ども達の反応は?
「休館日、賛成!?お母さんがいるから」(子供)
最大のピンチを乗り越え、今も戦い続ける女将。最後に、こんな質問を……崖っぷち旅館に嫁いで、正解??それとも、後悔?
「正解かわからないけど、後悔はしていない。大変な時もあったし、困った時もあったけど血となり、肉となり、糧になったかなと思います」(知子さん)
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